今回のテーマは「学習性無力感」に関してです。
「下っ端の自分が意見をを発言してもムダ」
「努力をしても営業成績は上がらない」
など
学習性無力感に関する実験
学習性無力感は、心理学者の「マーティン・セリグマン」によって立証されました。
犬を用いた動物実験で、犬に電撃を与える実験です。
「頭部を動かすと電撃を停止することができる群」と「電撃を停止することができない群」で分けました。
すると、電撃を受けたばかりの時は、犬は電撃を逃れようともがきます。
「頭部を動かすと電撃を停止することができる群」は、もがいているときに、頭部を動かすと電撃が停止できることを学習し、次に電撃を与えられたら、頭部を動かして回避するようになりました。
「電撃を停止することができない群」は、何をしても電撃が止まらないため、次に電撃を与えられることが続くと、次第にもがくこともしなくなりました。
自分が統制できないというものに関しては、回避行動を取らなくなってしまうのです。
学習性無力感の症状はうつ病の症状と類似した症状になります。
人で生じる代表的な学習性無力感
長期に渡り暴力や監禁、人格否定が行われた場合に学習性無力感が生じます。
- 自分から抜け出す行動を取らなくなる
- ちょっとした努力で抜け出せる状態だとしても、努力をしなくなる
拉致監禁などの被害者がなかなか逃げ出すことができないのは有名な話です。
また、『ブラック企業に勤めていても「転職すればすぐに抜け出せる」にも関わらず、辞める行動を取らない』というのも学習性無力感に当てはまります。
誰でも起こりうる学習性無力感
長期に渡る暴力や監禁などは、受ける確率が比較的低い事例です。
ですが、誰にでも起こりうる学習性無力感が存在します。
それは、「周囲の人からの否定」と「組織的怠慢」です。
「Youtuberになりたい→お前には無理」
「起業したい→お前には無理」
「営業成績上げたい→コミュニケーション能力が低いから無理」
など
「基本的に残業がある」
「結局、会議が何も生み出さない」
「下が発言する場が無い」
など
周囲からの否定を回避する方法
周囲からの否定を回避する方法は、「環境を変えること」です。
否定的な人間が周りにたくさんいる場合は、その場所から抜け出すことで、回避ができます。
ですが、会社の同僚部下上司など、環境を変えることが難しい場合があります。
その場合は、「否定的な人の数」より「ポジティブな人の数」が多い環境に身を起きましょう。
その方法は、たくさんの本を読むことです。
否定的な人に囲まれていたら、否定的なことが常になります。
しかし、たくさんの本を読むことは、「ポジティブな人の考え方」が常になります。
実際に隣にいなくてもポジティブな考え方に囲まれたら、環境が変わったことと同じになります。
組織的怠慢を回避する方法
残業が常にあるというのは、「無駄な作業量が多い」か「現場の生産効率が低い」かどちらかの場合が多いです。
会議が何も生み出さないというのは、「いつもやり方が同じ」であったり「目的と過程の乖離」であったり様々です。
組織的怠慢による学習性無力感はたくさんありますが、それらは全て「常識を改める」ことで回避されます。
「いつものこと」が周りから見たら「おかしいこと」だということに気付くことができないのは、思考が停止しているからです。
常に、もっと良くするためには?現状を改善するためには?など考え抜くことが組織的怠慢により学習性無力感を回避する方法です。
また、それは、諦めないことが重要です。
原因をひとつずつクリアして現状を打破していきましょう。
回避を継続するには
実際に、学習性無力感を回避するのは、陥っている人には難しい現状があります。
実験の話に戻りますが、犬は、どうあがいても電撃が回避できないから何もしなくなりました。
逆に電撃を停止できるとわかる犬は、回避行動を行います。
つまり、「行動が結果に繋がらない」という状況が「学習性無力感」に繋がるのです。
行動と努力は、成果に繋がらなくとも、何かの結果(答え)に繋がります。
その結果を常に振り返ることによって、回避行動を継続させることが可能です。
まとめ
「何をやっても無駄」と感じている人は、「環境を変えること」「常識を改めること」で少しずつ現状を打破していきましょう。
継続するコツは、行動がどのような結果を生み出したかを振り返ることです。